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渋柿の収穫

 今日は渋柿の一部を収穫した。8月だっただろうか、強風を受けた時に枝が折れてかなりな数を失ってしまった。ところが、運よく「強風による摘果」が実現したのだろうか、実の数は減ったが残った実の中には例年よりもかなり大玉の実があって、渋抜きも楽しみになってきた。1個で300gを超えるものが多数収穫できた。

 渋柿だが種無しのため、きちんと渋抜きをすればとても甘く食べ応えがあるはず。種無しなのでガブリとやると口いっぱいに甘さが広がる。

柿の渋み成分はタンニンで、可溶性(舌で渋みを感じる)と不溶性(舌で渋みを感じない)があり、例えば甘がきであっても、成熟期の気温が低い場合などに、一部の品種で種子ができなかった場合は、不溶性タンニンへと変化しないために渋いままで収穫されてしまうことがあるようです。渋柿だけでなく甘柿の一部では脱渋が必要になる場合があるようです。渋抜きの方法(脱渋)は以下のとおり。

  • 40℃~42℃程度で一晩(半日程度)漬ける(急速に傷むためあまり行われない)。
  • 二酸化炭素で処理する(ドライアイスと一緒に密閉)。
  • アルコールで処理する(以下で説明)。
  • 干し柿にする。

 私はアルコール処理を選択した。(焼酎などで)アルコール処理をしてビニール袋などで密封しておけば7日から10日ほどで食べられるようになるが、その時の処理方法や柿の状態、保存温度などによりかかる時間が変わる。柿のヘタ部分をアルコールに浸す場合、ヘタ部分をそのまま残して浸す場合は短い時間で、ヘタ部分を除去して浸す場合はそれよりも時間がかかる。柿に付着するアルコール量の違いが影響するのだろう。ヘタ部分に霧吹きなどでアルコールを噴霧することでも処理できる。処理後に密閉保存するときの温度が高いと短い期間で脱渋が完了する。しかし、15℃以上は避けた方がよさそうだ。焦ってはいけない。

 加温処理やアルコール処理、二酸化炭素処理で渋抜きをしたものは長期保存には向かない。急速に実が柔らかくなってしまう。長期保存するとなるとやはり手間と時間をかけて干し柿にするしかない。

コメント一覧

あけましておめでとうございます – 信州安曇野問屋ファーム2022年1月1日 12:26 /

[…]  正月の縁起物の一つという事で、冷蔵庫に保存していた干柿を出した。収穫当初は300gほどあったものも95gとなっていた(写真)。感触といい大きさといい大福のようだ。指で押すとぷにょぷよ。種無しで食べやすく甘さもばつぐんだ。 […]