今年は3種類の巣箱を製作したが、そのNo.1の巣箱にヤマガラが巣材の搬入を開始したのが4月3日の事だった。
今回製作した巣箱は巣穴部分を除くと気密度が高くて隙間がなかったため、巣箱内部に光が入らず暗い事から、ビデオの映像が終日(暗視野の)赤外線モードになってしまい、カラー映像として記録できずちょっぴり残念だ。
巣の中が整ってきて4月11日の早朝に1個目の卵を産んでから、毎日1個ずつ4月15日に5個目を産んでから抱卵を開始。翌朝6個目を産んだ。こうした光景は何度も観察してきたが、いつも不思議に思うのは卵からヒナがかえるタイミングは、ヤマガラも、コムクドリも、シジュウカラも一斉に、ほぼ24時間以内に産んだ卵のすべてが一緒であることだ。シジュウカラは昨年2度観察できたが、卵を10個、10日間かけて産んだのに、卵からヒナがかえるのはやはり24時間以内の誤差だった。
最後の卵を産む前夜から、もしくは最後の卵を産んでから抱卵を開始している。
今朝4:50頃に、最初のヤマガラのヒナが誕生した。19:00までに5個の卵が孵化している事が確認できている。最後の6個目は明日の朝でちょうど2週間だ。
ヤマガラはオスとメスはほとんど見た目が変わらない。私は頭頂部の白いラインが個体識別に役立つと考えている。オスとメスの識別はできないが、白いラインはほとんどまっすぐ1本になっていて、個体によっては少し曲がっていたり、太さが変化していたり、途中から少し枝分かれしていたりする。巣作りから抱卵している期間までに、オスとメスといえばいいのか、2羽の親鳥が同時に巣箱内にいる姿を確認できていない。
これまで巣箱で営巣した野鳥を観察してきた経験では、抱卵中のメスにオスがエサを運ぶ姿をよく見かけたし、ヒナを育てる過程では、オスらしき親鳥からメスがエサを奪うようにしてヒナに与える姿も観察できた。今回のヤマガラではそうした様子が全く観察できていない。もしかするとシングルマザーなのかもしれない。
野鳥の世界では人間のように倫理観などない。一夫多妻は珍しい事ではない。そうした意味で餌を充分に獲得できず、ヒナを育てきれないメスもいるときく。そうならない事を祈るばかりだ。