キジとおばあさん

　松本市内の山間部を車で通ると、道をキジが横切った。

　すぐに田んぼ1枚を通り過ぎたが、そのむこうにある小高い土手の脇で動きを止めたので、私も道路わきに車を停めてカメラをだした。幸いちょうど道幅が広くなっている場所だったのでよかった。

　カメラを向けると気づいたのかどうかはわからないが、徐に土手を登り始めた。距離はだいぶあったが動作がゆっくりで助かった。

　後日談ではあるが、雨上がりの日にキジに遭遇した場所近くを車で通った。遠くにキジの姿が見えたかと思いきや、徐々に車が近づくと誤認であることがわかった。腰の曲がったおばあさんが、たたんだ傘を腰に当てて道路を横切ったのだ。そのシルエットが遠めにキジにみえてしまったのだ。

　車の運転をしながらも野鳥を追い求めている私だが、これはまずい！