• 問屋ファームでは、信州安曇野で育った果物(梨やスモモ)の販売をしています。

すもも「ケルシー」の収穫

 ケルシーの苗を植えて5年目となった。3年目になってようやく少しだけ収穫できた。他の果実においても同じ事だが、初めての収穫の時には、収穫適時の判定に悩むのだが、ケルシーは中でも別格だった。

 早生品種の月光の栽培を先行して、次に晩生のケルシーの苗を植えた。最初は、いつまでたっても緑色をしていて実も硬い。さて、いつになったら食べられるのだろうと不安に思っていた。深い緑色からやや透明感のある黄色味が出たところで、待ちきれずガブリっと食べた時の事は今でも忘れられない。甘みが少しくらいはあるかもしれないが、どうせ渋みがあって口の中がゴワゴワした感じになるのだろうと予測していた私を見事に裏切ってくれた。めちゃくちゃ甘くて驚いた。

 さて、その翌年2021年はどうだったかというと、通りがかりに梨を買いに来たある老人が、ケルシーに目をつけて(緑色なので)「いつになれば食べられる」と聞くので、「あと1週間ほどすれば」と答えると、また来るので取っておいてくれとおっしゃった。義母と親しげに話しながら梨を買っていたため、義母が良く知る人だと思っていた私は、その老人が車に乗って走りだしたところで義母に「あの人は?」と聞くと「知らないが、また来ると言っていた」という。その後がまずかった、何日かすればその老人が来ると思っていた事もあって、もうすこし熟すのを待とうと決めた。数日後から続いた雨天のせいもあって収穫をためらっていたところ、6割近くの実が一斉に落ちてしまった。結局その老人は姿を現すことはなかった。

 今年2022年はというと、異例のコースを通る台風の影響もあって、8月の月末から雨天が続いたため、昨年の苦い思いが頭をよぎった。このままでは昨年と同じく沢山の実が落ちる可能性がある。予測通り急激に実が落ち始めた。幸水梨の収穫がひと段落していた事もあり、今日はためらわず収穫することとした。