当園の梨は13品種ほど、スモモは6品種ある。
栽培面積は50アールほどで、狭い園内に多品種ある理由の一つは、接ぎ木することで1本の木に複数品種を育成しているため。今は亡き義父が積極的に品種の更新をしてきた結果でもる。
開花の早い品種を受粉樹として導入したり、自家不和合性品種(自らの花粉では結実しない)の相互授粉にも多様性が貢献しているし、収穫時期のズレは作業の分散化に寄与する。
そうした背景から私にとっても接ぎ木の技術は必須だった。
写真は、昨年スモモ(月光)にスモモ(貴陽)を接木したもの。
僅か1年でご覧のとおりの変化で、春には4個の実をつけていたが、現在は1個の実がしがみついている。
来年はある程度の数量の収穫が見込める。苗からではこうはいかない。
先輩農家に聞いても、重要なポイントは伝授してもらえず、初年度は失敗していた。
後から書籍にその重要な記述を見つけたのだが、教える側は(悪意ではなく)当然な事なので伝えるべきポイントとしてフォーカスしていなかったのだと理解している。
そのポイントとは、接ぎ木する穂木は冬に行った剪定の枝を冷蔵保存して使用することが前提だったという事。なるほど、冬に形成層(樹皮付近)に蓄えられた栄養が大切で、接ぎ木直後の接続部への栄養供給に寄与しているのだとわかった。
長年の経験から会得した技術伝授では起こりがちな事ではないか(笑)
私のような(異業種から参加の)素人がバカになって失敗の記録をしていると、失敗談としてのインパクトを添えて伝える事ができるのだが。