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ヤマガラの子育て記録

 これまでに何度か話題にしてきたヤマガラだが、5月6日に7羽のヒナたちが無事巣立つことができた。

 始まりは2年前に遡る。鳥の巣箱を制作して、自宅の木にかけて繁殖の様子を観察したいと考えた事がきっかけだ。毎日の散歩の途中、野鳥の写真を撮影するうちに徐々にそんな思いが強くなった。また、自宅周辺の野鳥の巣の存在にも気づき、ヒナが無事巣立つものもあれば、猫や人の手にかかるものもあった。

 とりあえず、それまで自分の頭の中にイメージされる巣箱を形にして、自宅の庭の木にかけてみた。その時は、人や猫には気づかれにくいところに設置しようと考えたが、鳥には相手にもされていない様子だった。そこで、図書館で関連書籍をさがして調べるうちに、人間の都合というか視点で考える巣箱と設置方法ではだめだという事がわかってきた。詳細はもうしばらく事例を重ねてからにしようと思うが、昨年はコムクドリの繁殖の手伝いができ、今年はヤマガラが子育てする様子を映像としてとらえる事ができた。

 昨年の反省点を踏まえて、巣穴の大きさをリメイクした巣箱にWebカメラを内蔵して、自宅の無線ネットワークに参加させて、外出先からでもスマホで巣箱の内部を観察できるようにした。

 反省点もある。それは、カメラを内蔵することを前提として制作した巣箱ではなかったので、後付けで巣箱内部の天井から見下ろすかたちでカメラを設置した事が災いした。被写体との距離が近すぎて巣箱内部全体を映し出すことができない。また、カメラのWiFi接続は建物内部ではなく、外部でありしかも地面からは5メートルほど高さに設置した巣箱内である事から、通常でも距離があって通信が不安定な事に加えて、雨が降って巣箱が全体が濡れると、まるで水槽の中にカメラを投入したような状態になる事から、通信が途絶えて中の様子が観察できなくなる。そこまでは予測できなかった。

 ヤマガラの営巣を確認し、ヒナが誕生したあと、そのヤマガラの巣箱に興味をもったコムクドリが頻繁にヤマガラの巣箱を覗きに来るようになった。ヤマガラの子育てを邪魔させないためにも、急きょコムクドリの巣箱を設置してやろうと考え、再びカメラを内蔵した巣箱(コムクドリ用)を制作した。

 新しく制作した巣箱は、コムクドリ用の巣穴とすることはもちろん、内蔵するカメラもWiFi接続ではなく、自宅のルーターからオンラインで接続した。通信の環境としては改善し、巣箱を縦長にして視野を確保した。巣箱の設置からわずか2日後には狙い通りコムクドリが中に入り、営巣を開始している。

 さて、少し話がそれたが、ヤマガラは巣立ちを迎えたことで、現在は巣箱の中は空っぽになった。同時にカメラの撮影も終了したため、撮影できた映像から興味深いイベントを取り出して編集してまとめたので、ここに掲載したい。

 映像だけでなく、手元に記録したいくつかの発見についてもまとめてみたいと考えている。