すももの栽培を始めて5年が経過した。何も知らずに栽培を開始してみて驚いた事のひとつに、仕上げ摘果後にもかなりな数の実が落ちてしまう事がある。落果とひとくくりにして言うことはできず、今回は「仕上げ摘果後」という事で、早期に起こる不受精落果とか養分不良に基づくものは除いて考えたい。
梨(以前はリンゴも)の落果については、妻と家庭を築いて以来、長年義父や義母を手伝いながら栽培に関わってきた中で、それとなくわかっていたつもりだ。状況をデータにしようと思って記録してみると、なかなか厳しいものがあり、最終的な記録までには至らなかった。
なぜなら落果数の記録をしていると先行きの不安に、モチベーションが下がるだけで精神的に良くないと思ったからだ。途中で記録を挫折、気にしない事にしてきた。
スモモに袋掛けもしくは傘掛けしたものは、落果数の把握は容易だ。落ちている袋もしくは傘を改修して数を数えればよい。総数として識別可能な1000袋の追跡をして、落果数を記録した結果は以下の通りだ。
日付 | 調査日落果数 | 累積個数 |
6月17日 | 6 | 6 |
6月20日 | 30 | 36 |
6月21日 | 30 | 66 |
6月25日 | 2 | 68 |
6月30日 | 9 | 77 |
7月2日 | 28 | 105 |
7月5日 | 29 | 134 |
7月6日 | 21 | 155 |
7月9日 | 6 | 161 |
7月10日 | 4 | 165 |
7月11日 | 2 | 167 |
7月15日 | 12 | 179 |
7月19日 | 26 | 205 |
7月20日 | 16 | 221 |
上記の通り約1か月で、仕上げ摘果後の果実の20%を失った事になる。最終段階では40%近くを失たのかもしれない。早期の摘雷や摘花をする事で、ある程度を抑止できたのかは不明だ。物理的な障害(強風や降雹など)による落果を除いて、生理的な落果の要因としては、日照や温度などの気候要因や栄養障害等と関連して果樹そのものが発するホルモンによって減数の経過をたどる事が指摘されている。ベテランの農家の方には笑われそうだが、初心者にとっては驚きの現象かと思い、ここにデータを掲載した。