• 問屋ファームでは、信州安曇野で育った果物(梨やスモモ)の販売をしています。

すもも(月光)の糖度検査

 今シーズンの月光の栽培経過については別に記載するとして、ここでは糖度の検査についてデータを示したい。

 正直に言うと、収穫適時についてはまだ迷っている。熟度が進んで赤みを帯びてくると果肉が柔らかくなるのは他の果実と同様。私の好みが果肉は硬め、ある程度の酸味と甘みを備えていることが優位な選択基準となる。お客様に届いて適時に食べていただくための収穫適時は、どの色味の時が良いか。今後のためにも判断指標が必要だ。

 あるお客さんが、「バリエーションがあればそれなりに楽しみでもある」との(妥協の)誘惑に負けて、赤みを帯びたものと、緑から透明感のある黄色に変わった物まで混在で(直接)お渡しした。

 データとしてはどうかという事になる。その日に収穫した12個をランダムに選び、それぞれ皮をむいて一口大に切ったのち、一口大に切ったものをそれぞれの中から選んだ。1個のうちでも個体の面によって色味にバラつきがあるので、意図的に選択することを排除しようと考えての事だ。

 糖度で最大値を示したものは、(私があまり好まない)果肉が少し柔らかくなったものだ。ちなみに、10度以下を示したものは収穫するには早すぎたようだ。理由として、同等の色味の物を皮ごと食べると、わずかに苦味をもったものだった。皮を剥くことでごまかされている事になるが、未熟と思われるものを食べるときには推奨する食べ方になる。

 結果が出たものを食べてみたが、糖度11度くらいならば容認できるが、10度となると酸味が強い。いくら「月の光」をイメージしたとしても、わずかな赤みを持ちつつ、果肉の硬度をある程度保つものを安定して選択できる目を養う必要がありそうだ。

 私の課題としては、適時として選んだ月光をランダムに調べた時、糖度12度以上であり、バラつきとしては標準偏差(S.D.)3.7以下であることだ。

 また、収穫後に保存することで追熟できるのか、どの程度の時間が許容できるのかも調べる必要がありそうだ。もし、不可能であれば遠隔地に発送するような販売には適さない事になる。