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野鳥激減を感じていたのは私だけではない

 先日、通りがかりで寄った「松本市アルプス公園」での事。この場所は広大な敷地内に「小鳥と小動物の森」と呼ばれるエリアがあるほどで、野鳥観察には好適地と言える。東口駐車場付近でプロのカメラマンと思われる人とすれ違ったので、「鳥の撮影ですか?」と声をかけてみた。

 それというのも、その人の装備がすごかったからだ。カメラに付いているレンズはバズーカ砲のようで迷彩柄になっていて、重厚な三脚を抱えてリュックを背負っていた。どう見ても数百万円はかかろうかという装備だ。ずっとこの場所に通っているそうで、公園内で観察できる野鳥の個体数まで数えているようだ。恐らく遠くからでも鳥の羽毛の細部まで撮影することができるのだろう、撮影した写真を見比べれば個体識別もできそうだ。

 そこで野鳥撮影の適地について話題となり、「私は室山付近の事しか知らないが、山の伐採が進められているせいか野鳥が少なくなってしまい寂しいです」と話すと、その方も「ここ数年で数が減っている」とおっしゃる。「最近では、アルプス公園内にいたフクロウが2羽死んでしまった」と具体的な話になった。

 フクロウは野鳥や小動物を獲物とする食物連鎖の上位に位置づけられる鳥だ。その繁殖を支えるためには、その下に広がる昆虫や穀物など自然環境の豊かさが必要になる。私がフクロウの声を聴いたり、その姿に遭遇する頻度が急激に減っている事も感じていた。また、自宅の庭の木の枝にリンゴなどを差しておいたものなら、以前ならばヒヨドリやメジロ、シロハラや稀にヒレンジャク、キレンジャクなどが争って食べに来たものだが、今年はわずかについばんだ後はあるが、ほとんど野鳥が訪れる事はない。

 野鳥の激減を感じていたが、どうやら室山付近の限定された地域だけではなさそうだ。まさか、高病原性鳥インフルエンザまで影響していることはなかろうが、自然破壊が進んでいることを示しているとしたら問題だ。