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チコちゃんに叱られて考えた

 野鳥に興味を持って、写真撮影や巣箱の製作をしてきた私だが、NHKの「チコちゃんに叱られる」のある時の放送がずっと頭の隅にあった。

 それは、「なんで穴があると覗きたくなるの?」というものだ。2022年4月22日(金)放送の内容だった。私はこれまで野鳥用の巣箱を製作して、ヤマガラやコムクドリの営巣を観察してきた。フクロウ用に製作した巣箱だけは成功していない。フクロウは地域での生息数も少なく、難易度はかなり高い事は承知している。しかし、これまでにその姿を目撃しているし、鳴き声は夜間の散歩中に何度も確認している。

 フクロウの巣箱を製作したきっかけは、所さんの目がテン「フクロウ博士の科学」を見た事だった。その後、巣箱の製作方法を解説した書籍を調べたり、ネット検索して市販されているフクロウの巣箱の形状を確認した。そこには巣穴が丸ではなく四角いものがあったため、「そうか!巣穴は四角でなくてもいいんだ!」そう思っていた。そこでWebカメラを内蔵したフクロウの巣箱を製作した。

 Webカメラを内蔵した巣箱は、動体を検知するとスマホに知らせてくる。しかし、巣穴を四角にした巣箱には1年近く経過しても、フクロウの飛来はおろか他の野鳥からも全く無視され続けてきた。動態を検知してアラームが通知されるたびにワクワクしていた私だが、記録される映像には巣箱にやってきたスズメバチや、クモ、ハエ、そのほか強風に吹き飛ばされた木の葉の通過を告げるものだけだった。

 そこで、冒頭の話に戻るが、「チコちゃんに𠮟られる!」の内容で、「なんで穴があると覗きたくなるの?」との質問だ。詳細は番組のホームページにあるが、これを見たときに、フクロウ(野鳥)にとっても「巣穴はやはり四角ではなく円であることが望ましい」との結論に至った。

チコちゃんに叱られる! 何で穴があると覗きたくなるの?

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 さっそく、巣箱の入り口に修正を加えた。

 結果、フクロウの飛来はまったくないものの、1年近く野鳥には完全に無視されていた巣箱だったが、すぐさまヤマガラとシジュウカラが反応してきた。巣穴を円にしたことで、中の様子が気になったらしく、何度も飛来しては中を覗く様子が映像として捕らえられた。これは進歩だ。私がこの地域で暮らすようになってから6年近く。遠くの山の方からその鳴き声が聞こえる事があっても、フクロウの姿を目視したのは5回。鳴き声を聞く頻度も年々減ってきているし、最後に姿を見てから2年近く経過している。

 フクロウが生息できる自然環境は豊であることの証でもあるという。実は、早朝の暗闇の中、巣箱を掛けている自宅の柏の木の頂点にとまっていたフクロウを確認したのが最後なのだ。