• あり得ない取り組みをしなければ、あり得ない結果は得られない。信州安曇野で果樹栽培をしています。

すもも「貴陽」にジベレリン処理実施

 

 当園にあるスモモは、写真で紹介している貴陽のほか、月光、ケルシー、太陽、サンタローザがある。

 ジベレリンと聞くと、農家ではない人でも、ブドウの房を、薬剤入りのコップのような容器に差し入れている映像をご覧になった事があるのではないだろうか。

 種無しにすることや、果粒肥大化を目的として使用されている。

 そのジベレリンが、スモモの「貴陽」にも適用登録があると息子が教えてくれた。確かに添付文書には貴陽についての記載がある。

 貴陽の場合は、着果安定を目的とするもので、2本の木に100ppmの濃度を4リットル噴霧した。

 第1回は花の満開から20~30日後に、第2回は50~60日後が目安で、第2回目は6月の2週目に予定している。

 貴陽は、スモモの中でも最大級で1玉が300gを超えるものがあり、ギネスにも登録されているという。多くのスモモは「自家不和合性」。つまり自家受粉せず、自身の雄花の花粉では結実が見込めない。その中でも貴陽は遺伝子が3倍体の変わり者。人口交配してもなお着果率は悪く、また着果が安定せず、着果したとしても収穫に至るまでにはかなりな数を失うのが常だ。

 そんな状況下にあっても、今年当園では人口交配をせず、ミツバチ任せにしていることから、せめて着果安定を期待してジベレリン処理でリカバリーしようとの「実験」を試みている。

 写真は貴陽の様子だが、すでに黄色くなって授粉できていないものが多数ある。この程度は当たり前で、摘果作業が他の品種よりも短時間で済む。

 さて、昨年の収穫量に到達するか、できればそれを上回る成果を期待する。